※参考:日経「パナソニック、個人向けスマホ撤退を発表」
それまで、いわゆる"ガラケー"ではトップブランドであったパナソニックの次世代型電話であるスマートホン事業からの撤退は、かなりのインパクトがあった。
しかし、スマホ事業からは撤退した同社だが、むしろその他のカテゴリーではスマホとの連携を強めている。
※参照:パナソニック公式「Panasonic Smart Appでできること」
先の記事ではSONY「nasne」とスマホとの連携を書いたが、パナソニックも同社多機能テレビやHDDレコーダーとスマホを連携し、外出先からでもチューナーを操作できる機能を提供している。
※参照:パナソニック公式「外からどこでもスマホで視聴」
また、今年1月には、スマホを子機登録し、外出先から通話できる家庭用電話機を発売した。
※参考:家電Watch「自宅への着信を外出先のスマホで取れるデジタルコードレス電話」
またFAX電話機にも同機能を持ったものがあり、こちらは自宅LAN内ではFAXを画像データとして専用アプリから受信、外出先へはメール転送ができる。
※参照:パナソニック公式「KX-PD101」
本体とスマホ間のVoIPは自社開発ではなくフュージョン・コミュニケーションズの技術を提携で使用している。多少の遅延やくぐもった感じはあるが、十分実用化した製品だろう。
また前記のPanasonic Smart Appサイトにはないが、スマホ対応のドアホンシステム「どこでもドアホン」という製品も発売している。こちらは残念ながら外出先から直接通話はできず、外の応答ボタンを押したときに写真を撮り、メールで送ってくるだけになる。
次の世代では電話と同様に外出さきから応答通話できるようになるだろうから、個人的にはそこまで待ちたい。
パナソニックがここまで積極的なスマホ連携を仕掛ける前、スマホ撤退のちょうど一年前となる12年9月にも一度、スマホ連携家電を業界に率先して出そうとしていた時期があった。
現在発売中の機種と同様、スマホで外出先から電源のオンオフをする機能をつけたエアコンだ。だが、当時は法規制により違法性があるとみなされ、目玉だったスマホでの操作機能を削除して販売した経緯がある。
※参考:日経「スマホでエアコン操作 パナソニック断念の不可思議 経産省、今年度中に規制緩和へ」
当時はパナソニックもスマート家電をこれからの潮流とみなし、自社スマホをそのキーにすることで連携して販売していこうとしていたパナソニックにとって、スマート家電の道が閉ざされたことが直接自社スマホ撤退に結びついたわけではないだろうが、そう見えてしまうのは仕方のないところだ。
しかし、一方でこの一件がスマート家電規制の緩和を目指させたのも確か。そこはさすが天下のパナソニックが先陣を切った面目躍如というところか。
翌年13年1月には規制法であった電気用品安全法が改正され、家電をクラウドで操作する機器も登場した。
※参考:TECHWAVE「Pluto(プルート) は 全てをスマート家電にするクラウドリモコン」
こちらはあまり普及しなかったようだが、スマホを文字通り「リモートコントローラー」として使う便利さは、汎用的な魅力だろう。
できればパナソニックだけではなく、「日本製品」としてのカテゴリーで、相互互換で操作できる統一規格を作ってほしいものだ。
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